エネルギー価格低迷
新型コロナウイルスの感染拡大がもたらしたエネルギー市場の変調は、原油価格の暴落だけにとどまらず、液化天然ガス(LNG)や国内の電力取引にも影響を与えています。
アメリカの原油市場で4月に事実上、買い手がつかないマイナス価格に陥った原油先物は、経済活動再開の動きを受けて落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ、世界需要の2~3割にあたる日量2000万~3000万バレルも落ち込んだ需要の回復には数年単位の時間がかかるとみられています。
とはいえ、識者の見立てては、コロナ以前のように需要が戻ってくるとは限らず、先行きは早急に見込めそうにありません。
日本の電力・ガス会社が10~20年単位の長期契約で買うLNGの価格は原油価格に連動しており、原油価格下落の影響は3カ月ほどしてLNGの価格に反映されます。
いずれ日本向けの価格も下がり、電気や都市ガス料金の低下が見込まれており、一般家庭にはありがたいことなのですが、日本卸電力取引所(JEPX)は発電事業者と小売事業者が電力を売り買いするところなのですが、ここで5日受け渡し分のスポット価格が、日中の大部分の時間帯にわたって、事実上値がつかない1キロワット時あたり0.01円になったのだそうで、24時間の平均価格も初めて3円を切り、4月の平均単価で比べると、19年比で4割近く下落したのだそうです。
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